花押とは?遺言書にも使える印鑑なのか

日本古来から伝わる花押。

遺言書に日本人らしく花押を使おうと検討している人も多いようですね。

ここでは、花押とは何なのか、遺言書に使えるものなのかについてお伝えしています。

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結論からお伝えすると、遺言書の意思表示に花押は使用できません。
どうしても花押を使いたい場合は、自筆証書遺言の中に花押に加えて実印を捺印しておくことをおすすめします。

花押とは

豊臣秀吉の花押
転載元:wikipedia

花押は、「かおう」または「かきはん」と読みます。

日本古来のサインのようなもののことです。

はじまりは平安時代だと言われていて、鎌倉時代に入ってからは武家の世界で使われる機会が増えました。

初めのうちは自分の名前の中にある文字を模して造られていましたが、いつからか実名以外の文字を模して造られるようになります。

署名に花押を自署することで意思表示をするようになり、文書の真偽を判定する場合にも花押の照合がされるようになりました。

江戸時代からは印章(ハンコ)を使うことが多くなっていきました。

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日本における実印のはじまりのようなものですね。

歴代日本の総理大臣も花押を使用していた

日本の歴代内閣総理大臣
転載元:wikipedia

現代日本で花押は一般的ではありませんが、歴代の総理大臣も花押を持っていたようですね。

現在でも、クレジットカードのサインやパスポート、一部官公庁や企業内の文書に利用されていることもあるようで、そういったことからも遺言書に花押を使いたいと考える方がいるのも納得ですね。

遺言書の種類

遺言書の署名捺印に花押が使えるかどうかを考える前に、遺言書にはいくつかの種類があります。

それぞれの種類を比較したものが次の表です。

種類 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
作成方法 本人が遺言書内容、日付、氏名すべてを自書して押印して作成 本人と二人以上の証人が公証役場で申述・作成 本人または第三者が記入した後、封筒に入れて公証役場で証明してもらう
証人 不要 2名以上の証人 2名以上の証人
公証人1名
書く人 本人 公証人 原則本人
署名押印 本人 本人・公証人・証人
使用する印章 認印でも可 本人:実印
証人:認印でも可
検認 必要 不要 必要
特徴 秘密保持できるが、偽造や紛失の可能性がある 最も安全で確実な方法
証人や公証人に内容が知られてしまう
公証人の内容チェックがない
公証人は保管しない

この中で花押が使える可能性があるのは、自らが遺言書を作成する「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」です。

ただし、どちらの遺書にも認印または実印が必要になりますが、その代わりに花押が使えるのかということが問題ですね。

実印の代わりにならないことは当たり前のことですが、花押が認印の代わりになるのなら「自筆証書遺言」は可能になります。

結論からお伝えすると、花押を遺言書の意思表示のために押印の代わりに花押を使うことはできません。

とはいえ、どうしても遺言書の中に花押を記したいのであれば、押印の代わりではなく署名の一部とし、合わせて「自筆証書遺言なら認印」を、「秘密証書遺言なら実印」を押印することで認められる可能性はあるかもしれません。

自署遺言に花押を使った判例

自署遺言に関する判例を紹介しておきます。

まず、自署遺言における押印とは、「実印」でも「認印」でも「拇印」でも良いということになっています。

最判平元2.16
自筆証書によつて遺言をするには、遺言者が遺言の全文、日附及び氏名を自書した上、押印することを要するが(民法九六八条一項)、右にいう押印としては、遺
言者が印章に代えて拇指その他の指頭に墨、朱肉等をつけて押捺すること(以下「指印」という。)をもつて足りるものと解するのが相当である。

続いて、実際に自署遺言に花押を使用し、無効とされた判例を紹介します。

最判平28.6.3
花押を書くことは、印章による押印とは異なるから、民法968条1項の押印の要件を満たすものであると直ちにいうことはできない。

 そして、民法968条1項が、自筆証書遺言の方式として、遺言の全文、日付及び氏名の自書のほかに、押印をも要するとした趣旨は、遺言の全文等の自書とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに、重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにあると解されるところ(最高裁昭和62年(オ)第1137号平成元年2月16日第一小法廷判決・民集43巻2号45頁参照)、我が国において、印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い。

 以上によれば、花押を書くことは、印章による押印と同視することはできず、民法968条1項の押印の要件を満たさないというべきである。

判例どおり印鑑を押印したうえで、遺言書内に花押を自書するのであれば認められる可能性はあるものの、争われたことがないため確実な情報にはなりません。

そこで、花押ではなく花押に代わるような特別な印鑑を作ることを検討してみてはどうでしょうか。

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