住民票除票とは?5年以上保存される? | 請求できる人まで元担当者が解説

車や不動産の名義を変更するときなどに、住民票除票を取ってきてくださいなどと言われることがあります。

他にも、死亡した方の住民票除票を取らなければならないこともありますよね。

住民票とはどこが違うのか、そもそも除票とはなんなのか知らない人が多いと思います。

ここでは、住民票除票とは何なのか、どんなときに使われるのか、保存されている期間や請求できる人について解説していきます。

除票とは住民票から抜けたことを証明するもの

住民票除票のイメージ
[住民票除票のイメージ]
住民票から抜けたことを記載日付や理由が記載されたものです。

除票という書類が作られるというイメージではなく、今までの住民票が除票になるというイメージで、同一市区町村内での異動履歴も表示することができます。

除票は個人単位のもので、同一世帯の一部の人が何らかの原因で消除された場合は、該当者だけが除票になります。

管理人吹き出し画像
似たような書類に戸籍附票がありますが、こちらは戸籍の中の人すべてが消除されてから、戸籍附票の除籍になるという違いがあります。

除票になるパターン

住民票が消除される原因は複数あります。(住基法施行令第8条、第8条の2

具体的に見ていきましょう。

転出

住民票は同一市区町村内での居住情報を記録しているものです。

他の市区町村に引っ越しする場合は、転出届けを提出し、新たな転入先に住所を設定したことが確認できれば、転出確定となり除票になります。

POINT同一市区町村内での引っ越しを「転居」といいますが、転居の場合は除票にはならず、住民票の中で住所の履歴が記載されます。

死亡

死亡した場合は、死亡届を提出することで、住民票は自動的に消除されます。

記載される内容は、死亡日時と死亡した事実です。

死亡届の提出先と住所地が異なる場合には、自動的に住民票が消除されるまで数日~1週間程度かかると思います。

日本国籍を取得・失ったとき

原則として住民票は、日本人だけでなく外国人にもあります。

しかし、日本人と外国人では住民票に記載される内容が違うため、日本国籍を取得したり、喪失した場合は住民票はいったん除票となり、新たな国籍で作成されることになります。

在留期間が経過したとき

日本に滞在している外国人のうち、旅行などの一時滞在以外の方は、在留期間の定めがあります。

外国人の住民票には、在留資格や在留期間が記載されていて、その期間を経過したり、在留資格を失うと住民票は自動で消除されます。

通常は、在留期間が経過する前に、法務局で在留期間の延長などの手続きを行うことで、住民票の内容は自動的に更新されます。

職権消除

転入や転居などの届出時の住所は、本人からの届出を原則としています。

しかし、中には居住実態がないということが疑われることがあります。

市区町村役場の職員の実態調査により、居住の実態がないことが判明した場合、職権により住民票を消除することがあります。

職権消除された人が、新たに住所を設定するときには、戸籍謄本や戸籍附票を添付する必要があります。

住民票除票はどんなときに必要?

市区町村をまたいだ過去の住所と現在の住所をつなげて証明したり、氏の変更を証明するときに使うことがあります。

具体的には、次のようなことが考えられます。

除票が必要なときの例

  • 自動車・バイクの名義変更
  • 自動者・バイクの所有者情報の変更
  • 不動産の名義変更
  • 不動産の所有者情報の変更
  • 死亡者の年金請求手続き

あくまでも例ですから、これ以外にも、あなたの住所履歴や氏名が変更されたことを証明する必要がある場合に、求められることがあります。

管理人吹き出し画像
同じ内容を戸籍や戸籍附票でも証明できる場合がありますので、求められている書類が何か確認するようにしましょう。

請求できる人

原則として、通常の住民票を請求できる人と同じです。(住基法第12条

  • 本人
  • 除票になったときに同一世帯だった人
  • 委任状を持った代理人

死亡した人が一人世帯の除票は取れない?

先にお伝えした人だけが、除票を請求できるとなると、一人世帯の方が死亡した場合、委任状ももらえないし請求できる人がいないということになってしまいます。

しかし、残された親族はいろんな手続きをしなければなりませんよね。

そこで、自分の権利の行使や義務を履行するために必要だということを証明すれば、一人世帯の方が死亡された場合でも除票を取得することができます。(住基法第12条の3)

他にも、住民票の除票が必要な正当な理由を証明することができれば取得することができます。

自己の権利・義務の例

  • 相続関係手続き
  • 保険金の受取り請求
  • 年金手続き
  • 預金口座からの引き出し
  • お金の貸し借りがあった場合

ほとんどの場合が、相続に関係することだと思います。

相続税申告や預金口座からの引き出しの場合は、戸籍謄本を集めていらっしゃると思いますから、それを窓口に持参して、請求者が相続人のひとりであることが確認できれば除票を請求することができます。

管理人吹き出し画像
保険金の場合も、保険会社からの必要書類を説明した文書などを持っていきましょう。

除票になってから原則5年保存

住民票除票の保存期間
住民票の除票の保存期間は、原則として「除票となってから5年」です。

根拠法としては、住基法施行令第34条第1項となっていますが、実際のところは5年より長く保存してくれている市区町村が多いと思います。

これは、以前のように住民票を紙で保存するのではなく、システム上のディスクに保存しているため、管理するコストが非常に低いためですね。

とはいえ、システムの変更などがある場合にはそれをきっかけに廃棄してしまうこともあります。

保存期間は150年になる可能性が高い

私が市役所に勤務していたときにも、多くの方が以前の情報を証明するために住民票の除票や戸籍附票をお求めになっていました。

しかし、市町村合併やシステム変更などにより、除票が廃棄されていてどうやって証明すれば良いのか相談を受けることがありました。

行政の課題としても、所有者不明土地問題があります。

ライフスタイルの変化により、地方では管理されていない土地が多くあり、近隣住民を悩ませるということがあります。

行政は対応すべく所有者に連絡を取ろうとしますが、除票や戸籍附票が廃棄されているなどにより、所有者の現在を知ることができませんでした。

そこで、総務省でも「住民生活のグローバル化や家族形態の変化に対応する住民基本台帳制度等のあり方に関する研究会」の中で、戸籍簿の保存年限と合わせて150年保存することが望ましいのではないかとの意見が出ています。

近い将来、住民票除票の保存期間は150年程度になると思われます。

除票の取り方

基本的には、通常の住民票と同じですが、除票の場合は次の2つのどちらかの方法かと思います。

除票の取得方法

  • 除票のあった市区町村役場の窓口で取得する
  • 除票のあった市区町村役場へ郵送で請求する

代理取得用委任状の例

本人または同一世帯だった人が請求できないときは、委任状を作成して代理人に取ってきてもらうこともできます。

委任状については決まった様式はありませんので、任意の書式で大丈夫です。

【参考】除票の委任状

除票はコンビニ交付では取れない

現在では、マイナンバーカード(又は住民基本台帳カード)を使ってコンビニで証明書を取得できるサービスがあります。

しかし、残念ながら住民票の除票はコンビニ交付で取ることはできません。

コンビニで取得できる住民票は、現在の住民票だけで除票は対象ではありません。

コンビニ交付対象証明

  • 住民票の写し
  • 住民票記載事項証明書
  • 印鑑登録証明書
  • 各種税証明書
  • 戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)
  • 戸籍の附票の写し

※ 対応している証明書は自治体により異なります。

過去の住所を結びつけることが目的で、役所の窓口に行けない場合は、戸籍附票を取得して同じことを証明するということを検討してみてはいかがでしょうか。