印鑑登録できる印鑑を元実務担当者が徹底解説!

実印を作れと言われたけれど、どんな印鑑なら良いのかわからない。

適当に作ってしまったばかりに印鑑登録できなかった…

なんてことにならないように、印鑑登録できる印鑑について、条例の規定や実務上の経験から解説していきたいと思います。

印鑑登録できない印鑑は条例に書かれている

まず初めに、印鑑登録できない印鑑については各市区町村の条例に書かれています。

多数派の条例を簡単にまとめると次のようになります。

印鑑登録できない印鑑

  1. 氏名、氏、名若しくは通称または氏名若しくは通称の一部を組み合わせたもの
  2. 職業、資格、その他氏名または通称以外の事項を表しているもの
  3. ゴム印その他の印鑑で変形しやすいもの
  4. 印影の大きさが一辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるもの又は一辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらないもの
  5. 印影を鮮明に表しにくいもの
  6. その他登録を受けようとする印鑑として適当でないもの
市区町村によっては、印鑑のサイズが異なるところもあります
管理人吹き出し画像
つまり上記の反対の印鑑を用意すれば良いわけですね。
条件さえクリアすれば、三文判だって印鑑登録できます。
(参考)各市区町村の条例の例

引用元:岐阜県岐阜市印鑑条例
(印鑑の登録)
第5条 市長は、登録を受けようとする印鑑が次に掲げるもののうちのいずれかに該当する場合には、当該印鑑の登録をすることができない。
(1) 住民基本台帳に記録されている氏名、氏、名若しくは通称又は氏名若しくは通称の一部を組み合わせたもので表していないもの
(2) 職業、資格その他氏名以外の事項を表しているもの
(3) ゴム印その他の印鑑で変形しやすいもの
(4) 印影の大きさが1辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるもの又は1辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらないもの
(5) 印影を鮮明に表しにくいもの
(6) その他登録を受けようとする印鑑として適当でないもの
2 市長は、前項第1号の規定にかかわらず、非漢字圏の外国人住民が住民票の備考欄に記録されている氏名のカタカナ表記又はその一部を組み合わせたもので表されている印鑑により登録を受けようとする場合は、当該印鑑を登録することができる。

引用元:千葉県千葉市印鑑条例
(登録印鑑の制限)
第3条 登録を受けることができる印鑑は、1人につき1個とする。
2 次の各号のいずれかに該当する印鑑は、登録を受けることができない。
(1) 住民基本台帳に記録されている氏名、氏、名若しくは通称(住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号)第30条の26第1項に規定する通称をいう。以下同じ。)又は氏名若しくは通称の一部を組み合わせたもので表していないもの
(2) 職業、資格その他氏名又は通称以外の事項を表しているもの
(3) ゴム印その他の印鑑で変形しやすいもの
(4) 印影の大きさが一辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるもの又は一辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらないもの
(5) 印影を鮮明に表しにくいもの
(6) その他市長が、登録を受けようとする印鑑として適当でないと認めたもの
3 前項第1号又は第2号の規定にかかわらず、外国人住民(法第30条の45に規定する外国人住民をいう。以下同じ。)のうち非漢字圏の外国人住民が住民票の備考欄に記録されている氏名の片仮名表記又はその一部を組み合わせたもので表されている印鑑により登録を受けようとする場合には、当該印鑑を登録することができる。

引用元:滋賀県野洲市印鑑条例
(登録印鑑)
第6条 登録できる印鑑の数量は、1人1個に限るものとする。
2 市長は、登録申請をされた印鑑が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該印鑑の登録をすることができない。
(1) 住民基本台帳に記録されている氏名、氏、名若しくは通称(住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号)第30条の26第1項に規定する通称をいう。以下同じ。)又は氏名若しくは通称の一部を組み合せたもので表していないもの
(2) 職業、資格その他氏名又は通称以外の事項を表しているもの
(3) ゴム印その他の印鑑で変形しやすいもの
(4) 印影の大きさが1辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まるもの又は1辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらないもの
(5) 印影を鮮明に表しにくいもの
(6) 前各号に掲げるもののほか、登録を受けようとする印鑑として適当でないもの
3 市長は、前項第1号及び第2号の規定にかかわらず、外国人住民(法第30条の45に規定する外国人住民をいう。以下同じ。)のうち非漢字圏の外国人住民が住民票の備考欄に記録されている氏名のカタカナ表記又はその一部を組み合わせたもので表されている印鑑により登録を受けようとする場合には、当該印鑑を登録することができる。

印鑑登録できる印鑑の条件

ここからは、ひとつづつ解説していきます。

氏名や通称、一部組み合わせたものを表していること

氏名の組み合わせ
氏名は住民票に登録されているものです。

住民票には読み方は記載されません。
つまり、読み仮名を印鑑登録することはできないことに注意が必要です。

また、外国人の中には通称名という、本名とは別の名前が登録されている方がいらっしゃいます。

通称名は住民票に記載される事項なので、印鑑登録に使用することができます。

氏名や通称の一部を抜き出したり、部分的に組み合わせたものも印鑑登録できます。

「住民票に氏名や通称に記載されているとおりの文字の組み合わせならば印鑑登録できる」と覚えておきましょう。

POINT
書体についての規定はありません。
ほとんどの書体で印鑑登録できると考えて問題ありません。

ただし、印鑑の書体が確かに氏名の文字を表しているということ(読めること)がわからなければならないことに注意が必要です。

非漢字圏の外国人は別にカタカナ表記も可能

外国人の氏名の組み合わせ
先にもお伝えしましたが、印鑑登録できる表記としては住民票に記載されているものに限られます。

しかし、非漢字圏の方の場合はアルファベット表記のままでは印鑑として使用しづらいことがありますよね。

そこで、在留許可を得ている外国人のうち、非漢字圏の方の場合、事前にカタカナ表記を登録しておくことができます。

カタカナ表記は住民票の備考欄に登録されることになり、印鑑登録に使用できる表記として扱われます。

職業や資格、氏名や通称以外の事項が入っていないこと

職名は登録できない
そのままですね。

住民票の氏名や通称に記載されていませんから、当然印鑑登録できません。

変形しにくい材質のもの

ゴム印などが変形しやすいことは想像しやすいですが、それ以外のものは判断が難しいです。

100均のプラスチック製の三文判も熱には弱いので変形しやすいと言えますし、天然石系のものであれば欠けやすいこともありますが、実務上は印鑑登録できる物として扱われているのが現状です。

ゴム以外のものであればほとんど大丈夫だと思います。

管理人吹き出し画像
もちろんシャチハタは登録できませんよ

サイズは一辺の長さが8mmより大きく、25mmに収まるもの

実印のサイズ
ほとんどの市区町村で8mmと25mmがサイズの基準になっていますが、条例により登録できる印鑑の大きさが違う市区町村も実際にあります。

とはいえ、大きく違うことはありませんので一般的に実印向けに販売されている印鑑のサイズであれば登録できると考えて良いでしょう。

印影が鮮明であること

印鑑登録するために新たに作成する印鑑であれば問題はないと思います。

しかし、長年使用された印鑑の場合、朱肉やホコリ、ふき取ったときの紙の残りが付着していることで、画数の多い文字などで印影が読めなくなっていることがあります。

実務で印鑑登録をしていたときの経験では、先の尖ったもので清掃しても印影が鮮明にならないことが多くありました。

他にも、石でできた印鑑などで印面のザラつきが粗く、朱肉ノリがとても悪く登録できなかったことがありましたね。

管理人吹き出し画像
古い印鑑を使って登録しようとする場合、保管状態や十分な清掃してから印鑑登録するようにしましょう。
または新たに実印の作成を考えてみてはいかがでしょうか。

登録できるのか判断が難しい印鑑

印鑑が欠けているもの

欠けている印鑑
左のものはデザイン上あえて欠けがある印鑑です。
この程度の欠けの場合は、十分印鑑登録できると考えられます。

対して右の印鑑の損傷により、大きく欠けてしまっています。

印鑑登録関連の実務書などでは、1/3を超える欠けの場合は印鑑登録できないなどと書かれていることもあり、印鑑登録できない可能性がとても高いです。

角印や丸印など形が一般的でないもの

印鑑の形
「丸印」「角印」などは問題なく印鑑登録できます。

さらに、「楕円」についても実際にいくつも登録したことがありました。

星形などの場合は、市区町村により判断が分かれると思われます。

そして、そもそも輪郭のない印鑑ですが、印鑑登録できない可能性が非常に高いと思います。

文字以外のワンポイントが入っているもの

イラスト印鑑
元印鑑登録実務担当者としての経験から、あくまでの私の判断ですが、氏名の他にワンポイントが入っているものの場合、登録できる可能性はあると思います。

対して「痛印」や「萌え印」と呼ばれる、いわゆるイラスト入りの印鑑ですが、実際に登録にお持ちになったことがありました。

登録できる理由を実務書籍などから一生懸命探しましたが、文字が小さくイラストがメインとなってしまっているため、一部図柄とは見なせないと判断し、お断りさせていただきました。

イラストを控えめにして、文字を大きくした印鑑であれば、市区町村の判断によっては登録できるかもしれません。

管理人吹き出し画像
不確かな情報で申し訳ありませんが、どこかの市区町村で「萌え印」が印鑑登録できたという話も聞いたことがあります。
一般的な印鑑と違うデザインのものの登録を検討されている場合は、事前に市区町村担当者に相談してから印鑑を作成されることをおすすめします。